黒羽を発った松尾芭蕉は、曾良とともに那須温泉神社の裏手の“殺生石”周辺も訪れました。
この殺生石で松尾芭蕉が詠んだ俳句は下記のうちどれでしょうか?
(1) 「飛ぶものは 雲ばかりなり 石の上」
(2) 「かさねとは 八重撫子の 名成べし」
(3) 「野を横に 馬牽きむけよ ほととぎす」
(4) 「石の香や 夏草赤く 露あつし」
<解説>
(1) は松尾芭蕉門下の「麻布」という人が詠んだ俳句で、殺生石はかつては有毒の『硫化水素蒸気ガス』が今以上に漂っていたために、殺生石の上には鳥も飛ばないということを詠んだものです。
(2) 「かさね」というかわいい名の小姫との出会いを、花に例えたら八重撫子のようだと、そんな気持ちを弟子の曾良が詠んだ句です。
(3) 芭蕉が馬子に所望されて詠んだ句と言われています。野原を進んでいくとホトトギスの鳴き声が聞こえる、そちらに馬を向けてください、という意味です。
(4) 殺生石の石は硫黄の香りがして、緑したたるはずの夏草が赤く枯れ、涼しいはずの露が熱く沸騰している様を松尾芭蕉が詠んだ句です。
ということでこの問題の答えは(4)「石の香や 夏草赤く 露あつし」となります。
殺生石の付近は窪地となっていて、有毒ガスが溜まりやすい地形のため、今でも風向き等によっては地面近くに有毒ガスが漂うこともしばしばです。そんな場所を訪れた松尾芭蕉と曾良の気持ちが、この俳句から感じ取ることができます。
那須町内には松尾芭蕉や曾良の句碑がいくつも点在します。奥の細道の足跡を、そんな句碑めぐりをしながら辿る旅もいいですね。 <Dai>
※この出展は『那須検定公式テキストブックⅢ』で出題されているものです。
<殺生石の周辺地図>
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