痛快爽快!瀬戸内海に実在した海賊をテーマにした【村上海賊の娘 上・下巻】が面白い!

映画化もされた『のぼうの城』を記憶に新しい人も多いかも。その作者:和田竜による長編歴史小説【村上海賊の娘 上・下巻】(新潮社)を読んで、久しぶりに痛快・爽快感を味わいました。

村上海賊は、瀬戸内海に実在したこのエリア最大の海賊で、瀬戸内海を航行する船の水先案内と、航行の安全をお金をとって仕事としてやっていたもの(逆に言うとお金を払わない船は海賊として略奪に及ぶもの)。この村上海賊は村上水軍と呼ばれ戦国時代に、瀬戸内海を席巻していた。

その主人公・村上景(きょう)は、村上水軍の当主・村上武吉の娘で実在した人物です。景は、軍船に乗り瀬戸内の海で狼藉を働く者を成敗したり、男勝りの活躍をする。その働きぶりは男まさりというより、男顔負けの大胆で豪傑さがあり、気分がスカッとする。

小説の主題は、毛利家から信長に追い詰められ窮地に陥った本願寺を救うため、物資を輸送してほしいという依頼が来たことにはじまる。村上水軍は毛利方に加勢することを決め、景もこの戦いに身を投じていくことになる。

電話も無線もない時代に、情報を収集し伝令しつつ、小早舟や屋形船レベルの軍船を操って戦う姿は、想像を絶するものがあり、単行本上下巻合わせて約1,000ページにもなる本作は休む間を与えてくれないほど。

左から安宅船・関船・小早船: 写真提供村上海賊ミュージアム

織田信長と、本願寺住職である顕如(れんにょ)の抗争の最後の。石山合戦を舞台に、村上水軍の棟梁である村上武吉の娘・景(りょう)を描いた壮大なストーリーは、海陸両方の戦の迫力と、魅力ある歴史上の人物が多々登場し、その楽しさは戦国時代を舞台とした小説ならではのものがあります。読み終わった時には、読む前には無かった感激にたっぷりと浸ることができるという、お薦めの一冊です。 <Dai>




choko4※那須高原の那須町に移住してきた筆者が、那須にとけ込んだ人を“那須人(なすびと)”と称し、那須好きの人たちに那須の様々な観光情報を提供することで、“那須人”になってもらいたいと、このブログを開設しています。何か知りたいこと、聞きたいことがありましたら《Contact Us》までどうぞ。




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