カフェ＆アートスペース【北風と太陽】那須戸田の“閉校小学校”を活用

那須塩原市戸田にある「旧市立戸田小学校」は、2014年3月に統合により閉校となった小学校です。その「旧戸田小学校」で特筆すべきことは、1951年(昭和26年)に開校してから閉校までの63年間、開校時の木造校舎が閉校時まで変わらず使われたことだと言えます。

その木造校舎の面影がそのまま残っている旧戸田小学校が、2019年4月14日に、障害者が働くカフェ＆アート作品の展示スペース【北風と太陽】として生まれ変わってオープンしました。
たまたま黒磯から自宅に帰る途中で、この戸田の閉校小学校のカフェのことを思い出して、急きょ立ち寄ってみました。

いまだにかつての「戸田小学校」の表示が残る玄関

最初に、車を停めた校庭から校舎を眺めたとき、思わず『なんと雰囲気のある小学校なんだ！』と、驚きの言葉がこぼれました。今もこんな古い素朴な、木造の校舎が残っていたとは、とても感激です。

【北風と太陽】の中に入ると、左手にカフェの客席が広がります。ここは、かつて職員室だった場所とか。今は、職員室内はリフォームされて、綺麗なカフェのダイニングルームに変身しています。

職員室のプレートは昔のまま

壁にはお洒落なアート作品も展示

【北風と太陽】は、就労継続支援Ｂ型事業所として生まれ変わったもので、社会福祉法人太陽の里福祉会(那須塩原市上中野)が旧戸田小学校の校舎を一部改修し、カフェとアートスペースとして整備したものです。

カフェは職員室を、アートスペースは教室を少しリフォームしていますが、床や廊下、その他のスペースは昔の学校の施設そのままを使っています。

窓辺の客席イスは児童が使っていたもの校庭が眺められます

廊下もかつては子供たちが走り回った昔のままです

【北風と太陽】のアートスペースでは、5月31日まで、那須塩原市出身の写真家、後藤武浩さん(東京都杉並区)の写真展を開催しています。

昔の音楽室では、ＧＷには那須塩原市のＰＲ短編映画「ＨＡＲＭＯＮＹ」の無料上映会も開催されました。

＜HARMONYあらすじ＞
とある田舎町にある廃校になった小学校。そこの音楽室にある1台のピアノ。誰にも知られずにずっとその小学校に置いてあった。
小さな侵入者たちがピアノを見つけたことによって、市役所の職員にピアノ調律師、学校の先生、地元のタクシー運転手と、大人たちが動き出す。
「ピアノの音がするっていうことは、そこに弾いている誰かがいるということ…」
今まで見向きもされなかった廃校の壊れたピアノがみんなの力で音を奏でるハーモニー。実在する廃校をモデルに繰り広げられる、8年間で構成された短編なのに壮大なストーリー。街、人の魅力を、ピアノを交えて優しく紡いでいく物語。

harmony
那須塩原市のホームページより